学生時代にものの「経年変化」について卒業論文を書いた。
エコとか環境問題に対するデザインが出てきた時期で、
「デザイン」で社会貢献したいと考えていた。
しかし、研究するには難しいテーマだった。
多分突き詰めれば、一生かかると思う。
でも経年変化を再現する方法はすぐに行き詰まった。
そこには雰囲気作りとか、フィット感とか、馴染みとか、
情緒価値の中でも、商品のメインベネフィットになり得ない価値しか
再現できなかったからだ。
「わざと古くする」という行為以上の動機付けは結局導きだせなかった。
でも一方で、この前ブログにも書いた「完璧ではないもの」の価値が、
ここなんじゃないかと思う。
メーカーは均一な価値を持った「完璧な」商品を数多くの消費者に届ける義務があるが、
デザインはそのルールに則る必要はない。
完璧ではないものの一つに、使い古されてピカピカの状態ではなくなり、
均一な「質」を残せていない状態のもの…つまり前所有者のクセが染み付いたものが
含まれているのではないかと思った。
完璧ではないものの持つ価値が一つわかった気がした。
最終的に生産ラインや店頭への流通で支障は出てくるかもしれないが、
リサイクル家具などの元々均一を担保しなくても済む一点物業態をステージにすれば
リサイクルで回ってくる製品一つ一つの「経年変化」を価値構造まで分析して
それぞれにぴったりな方法で再製品化できるのではないか?
むしろ素材として「使い古されたもの」を仕入れる業態に身を置けば、
価値を継承し、面白い作品が作り千々蹴ることができるのではないか?
というわけで、僕は将来像の一つとして古家具店を考えている。
想像するだけでわくわくしてしまうけど、あくまで、一つとして、ね。